寝すぎ
健康な状態で体が必要としている以上に長く眠ることを、寝すぎと言います。
必要以上に長く眠ると、身体や心に弊害が生じることが知られています。
寝すぎの時間の目安は、9時間以上です。
成人では7~9時間の睡眠が推奨されていますが、身体状態、生活スタイル、体質などの要因で、必要な睡眠時間は変わります。また、十分な睡眠時間は年代別でも異なります。
日中の眠気、集中力の低下がない時間が適切なものです。
午前の遅くまで目が覚めることなく眠っている人、目覚まし時計のボタンを押してから再び眠りに入る人など、寝すぎのケースはさまざまです。
昼寝もするけど、夜間の睡眠時間も長い場合もあります。
寝すぎの理由
子どもでは成人と比較して睡眠時間が長くなります。
思春期までの年齢であれば、1日当たり9時間以上、眠ることもあります。
成人になっても、10時間以上の睡眠が必要である体質を持っている人を長時間睡眠者と呼んでいます。
長時間睡眠者では 寝不足がなければ、支障が出ません。
疲労が溜まっていると普段より多く休息が必要になります。
その結果、より長く眠るようになります。
平日に眠れない状況が続くと、週末に睡眠時間が長くなります。
普段の寝不足を代償するためです。
特発性過眠症およびナルコレプシーは居眠りが多いことが特徴です。
睡眠時無呼吸症候群では、夜ながく寝ていても、昼間に居眠りが出てしまいます。
風邪、外傷、術後など、身体の回復が必要なときは、多くの睡眠を要します。
甲状腺機能低下症、アルツハイマー病、パーキンソン病があると、睡眠が長くなります。
うつ病あるいは季節性感情障害では、過眠を呈することがあります。
統合失調症の消耗期では、過眠が特徴的です。
発達障害でも、寝すぎの症状が出現します。
睡眠薬、精神安定剤を服用していると、起床時にも薬の作用が残ることがあります。
アルコールの摂取は、眠りの質の低下、翌日の疲労感を引き起こります。
症状について
寝すぎによって起きる症状の中で、頻度の高いものは頭痛と疲労、筋肉痛です。
必要以上に睡眠時間が長くなることで、脳血管が拡張し周辺にある神経を刺激します。
その結果、頭が痛いという症状が現れます。
睡眠と覚醒を調節している体内時計にも影響し、睡眠リズムが乱れます。
寝すぎによって、末梢にある臓器の働きにも変化が生じます。
気持ち悪いという症状と体調不良の原因になります。
時差ボケのような症状が出現し、全身の倦怠感を感じることになります。
いつもより長く眠ると筋肉の血行不良が生じて筋肉痛を引き起こします。