こういった体や心に重大な原因がないかをきちんと鑑別し、最後に残るのが、理由のない不眠症です。
不眠症は、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠障害の4つに大別されます。それぞれ適切な薬で、睡眠リズムを取り戻せる可能性があります。最近は、依存性が少なく、使いやすい薬もふえています。
不眠への囚われをなくすことで寝付きやすくなることもあります。今まで、順調に眠れていた方が、一度不眠に陥ると「このまま眠れなくなる」「うつ病になってしまうかも」と考えるあまり、「眠ろう」とばかり考えてしまい、緊張してかえって眠れなくなります。
新聞配達のバイクの音が聞こえて、空が白み始めた頃、眠る事をあきらめたとたん眠りに落ちるのは、緊張から解放されたからです。
たとえ、不十分な眠りであったとしても、睡眠がとれていれば日中睡魔に襲われるかもしれませんが、不眠だけ命を落とすことはありません。
幼い頃は、昼寝が必要だったのに、大人になると夜眠るだけで大丈夫になり、さらに高齢になると睡眠時間は自然に短くなります。若い頃より早起きになっても、何ら困らなければ自然の成り行きです。
平日の睡眠時間を、週末に補うというのも悪くないが、寝過ぎるとその夜の眠りが妨げられます。
また、飲酒は眠る目的ではあまり勧められません。楽しく、ストレスを発散する手段としては最高ですが、実はお酒の力でとりあえず眠れても、数時間で逆に脳が興奮して目が覚めてしまいます。
今年も、熱帯夜まだまだ続きそうですが、適度にストレスを発散しながら乗り切りましょう。