| 前回に続き鼻に関するお話をしたいと思います。 普段なんとなく使っている"いびき"という漢字を書いてみてください。 正解は... 【鼾】 です。
よく見てください。この漢字の部首のはなへんは、日本で使われている'鼻'ではありません。
中国の漢字辞典、康煕字典(こうきじてん)を始め、日本以外の地域では『鼻』の最下部は横画の下に払いと縦画がついた形で、横画を突き抜けてはいません。これは鼻の象形である「自」と声符の「畀」から構成される形声文字です。
鼻という文字単独の場合、日本の新字体においては払いと縦画が横画を貫く形を採用しているようです。しかし、表外漢字である鼾などは康熙字典に従っています。
いびきは平安時代の漢和辞書「新撰字鏡」に見られる古い言葉で、その語源は「息吹(いぶき)」という語の息を「い」と読むことから「息引き」「息響き」からとする説が最も多いようです。 『寝も寝ずに(いもねずに)』と「寝」の字を「い」と読む例が万葉集にあるため、「寝響(いひびき)」がいびきに転じたとも考えられています。
鼾の漢字の意味は"鼻から出る大きな音"の事と言われ、中国では「干声(かんせい)」の語があり「大きな音」という意味であるといわれています。
では、なぜいびきをかくのでしょうか?
眠っている時の気道は咽喉の筋肉と舌と軟口蓋(口腔の後ろの部分)の筋肉によって開かれています。これらの筋肉が弱まると気道が狭くなり息を吸い込むたびに振動が起こっていびきをかきます。 いびきの要因はたくさんあり、老化(年をとると口腔と咽喉の筋肉が弱くなる)、肥満、喫煙、アルコールの大量摂取、そして、あお向けに寝ることなどが原因と言われています。
いびきの要因について何か思い当たる点がある方はこれらを見直してみてはいかがでしょうか。 |